成道館日誌

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日別 アーカイブ 2013年6月29日

三つの力でよいのか

国語力とは論理的思考力であり、この論理的思考力を身につけるために必要な力は三つにしぼることができると述べてきた。しかし、疑問に感じられることもいくつかあろうかと思う。

・「本当にこの三つの力だけでいいのか」という点について、

本当に三つの力を伸ばせばよい。しっかり練習を繰り返して三つの力を伸ばすこと。

・「多くの国語の問題集にある『指示語』・『接続語』・『内容理解』・『段落の関係』・『要旨』などの問題はやらなくていいのか」という点について

「抽象・具体の関係」・「対比関係」・「因果関係」が学習出来れば十分カバーできる。

「接続語」については、「抽象・具体の関係」で説明・並列・累加の接続語が学習でき、「対比関係」で逆接の接続語が学習でき、「因果関係」で順接・説明の接続語が学習できる。結局三つの力は接続語が重要な役割をはたすので、この学習をしておけば大丈夫。「指示語」・「内容理解」・「段落の関係」・「要旨」は「抽象・具体の関係」(言い換え)で学習できる。

他の問題集で多くの分野に分け、それぞれの分野を少し学習しただけで終わるのを、三つに集約して学習すれば練習量も多くなり、学習効果は大きい。

・「結局入試問題は長文読解なので、長文読解はやらなくてはいけないのではないか」という点について

三つの学習を仕上げるまでは、長文問題はしなくてよい。あせることはない。

・「どんな問題集をやればいいのか」という点について

ほとんど総合問題集なのでそういう問題集はすぐにやってはいけない。特に小学校5年生までは、入試問題集や入試問題を使った問題集はしない方がよい。入試問題には難問や悪問もある。そういう問題に取り組んで解き方を教わっても本人は混乱するだけで、何の得にもならない。

何がよいかというと、D氏の問題集も良いのだがF氏の問題集が大変良い。いずれも小学生向けの問題集であり書店で買うことができる。私の塾ではそれに加えてN氏の問題集も使っている。

 

ところで、もっと国語ができなくて、三つの力を学習するレベルに達していない子はどうしたらいいかという悩みもあると思う。そういう子には私の塾では、「書写」「漢字」「音読」だけをさせている。とにかく音読をさせること。この仕事を始めたころ(20年以上前)から「まず文章をすらすら読めること」と言い続けてきた。音読ですらすら読めるように繰り返し練習させる。そして、「主語・述語・修飾語」を学習させる。とにかく音読は大切。

もうすぐ夏休み。夏休みは時間がたっぷりある。普段まともな国語の学習をしてこなかった子にとって、この夏休みは「三つの力」を学習するいい機会だ。このことは中学生にも言える。塾でやる国語は定期試験対策ぐらいではないだろうか。結局それは暗記なので、それによっていい点を取っても国語力とは関係ない。

時間のある夏休みに国語を勉強しないでいつやるというのか。

夏休みを使って国語力=論理的思考力を学習しよう。