国語の苦手な子に長文読解

保護者と小学生の子供が塾に来て、「この子は国語が苦手なので国語の成績が上がるよう国語力を伸ばしてください。お願いします。」とお願いされた。さて、塾ではどのような国語の授業をするのだろうか。

中学受験のコースならそのまま集団授業の中に入れて長文読解問題を繰り返す。中学受験のコースでなくても、集団授業の中に入ればやはり長文読解問題を繰り返す。あるいは「国語が苦手だから」ということで易しい文章読解問題をするか、説明をより丁寧にするかだ。

このように、多くの塾で行っている国語の授業は、「長文問題を解かせて解説をする」というものである。しかし、残念ながらこの方法では国語力は身につかない。特に国語の苦手な子はもともと文章が読めないのだから、長文を読ませて問題を解かせてもほとんど効果はない。「長文問題を解かせて解説をする」という効果のない問題演習を繰り返し行っているので国語力が身につくはずはない。

長文問題というのは総合問題である。物語文なら、漢字・情景・心情・主題などの問題があり、説明文なら、漢字・指示語・接続語・段落の要点・要旨などの問題がある。国語の苦手な子に総合問題をさせて理解できると思っているのだろうか。

他の教科で考えてみればわかる。算数の苦手な子にいきなり総合問題をさせるだろうか。そんなことはない。割り算が苦手なら割り算の問題を練習し、面積が苦手なら面積の問題を練習する。総合問題をするのはずっとあと。

もうひとつ、スポーツでたとえてみよう。野球の苦手な子にいきなり試合(総合問題)をさせるだろうか。違うだろう。まずキャッチボールから始めてゴロをとる練習、フライをとる練習などの守備練習や、打撃練習をして試合をするのではないか。

でも、国語はいきなり総合問題(試合)をさせてしまうのだ。そして、情景・心情・主題・指示語・接続語・段落の要点など盛りだくさんの内容を一度にやってしまう。いくら先生が上手に説明しても、国語の苦手な子がこれだけの内容を一度に学習することなどできるわけがない。それなのに、同じことを何度も何度も繰り返す。ほとんど効果はない。

残念ながら国語が苦手な子は苦手なまま。

では、どういう練習が必要なのか。





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